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2026年4月29日

ADHD(注意欠如・多動症)の特性と支援のポイント

ADHD(注意欠如・多動症)は、「やる気がない」「だらしない」から起こるのではなく、生まれつきの脳の特性によるものです。そのため、本人も「ちゃんとしなきゃ」と思っていても、うまくいかずに自己肯定感が下がってしまうことがあります。

ここでは、専門用語をできるだけ使わずに、ADHDの主な特性と、家庭や学校・園でできる支援のポイントをやさしくまとめました。

【1】ADHDの主な特性

ADHDの特性は人によってさまざまですが、よく見られるのは次のようなポイントです。

●不注意(集中し続けることが難しい)
・話を聞いている途中で、他のことに気がそれてしまう
・宿題やプリントのやり忘れ、提出忘れが多い
・物をなくしたり、置き忘れたりしやすい

●多動性(じっとしていることが難しい)
・座っている場面でも、体をゆらしたり立ち歩いたりしやすい
・順番を待つのが苦手で、つい動いてしまう

●衝動性(思いつきで行動しやすい)
・相手の話を最後まで聞く前に口をはさんでしまう
・「あとで困るかも」と分かっていても、つい行動してしまう

これらは「わざと」ではなく、ブレーキをかける力や、注意を保つ力の特性によるものです。

【2】学校や園でよくあるつまずき

集団生活の中では、ADHDの特性が目立ちやすくなります。

●授業中に集中が続かない
・板書を書き写している途中で、周りの音や動きが気になって止まってしまう
・先生の説明を聞いていても、途中から内容が頭に入らなくなる

●忘れ物や提出忘れが多い
・宿題をやっていても、持っていくのを忘れてしまう
・プリントをランドセルやカバンの中でぐちゃぐちゃにしてしまう

●友だちとのトラブル
・順番を待てずに割り込んでしまう
・思ったことをそのまま口にしてしまい、相手を傷つけてしまう

【3】家庭でよく見られる困りごと

家庭の中でも、ADHDの特性はさまざまな形であらわれます。

●支度や宿題に時間がかかる
・「早くして」と何度言っても進まない
・宿題を始めても、すぐに別のことをし始めてしまう

●片づけが苦手
・おもちゃや本、服などが出しっぱなしになりやすい
・「片づけてね」と言っても、どこから手をつければいいか分からない

●感情が爆発しやすい
・注意されたときに、すぐに怒ったり泣いたりしてしまう
・自分でも「どうしてこんなにイライラするのか」分からず、あとで落ち込むこともある

【4】今日からできる支援のポイント

ここからは、家庭や支援の場で試しやすい工夫をいくつか紹介します。

●1. やることを「小さなステップ」に分ける
・「宿題しなさい」ではなく、「まずは国語プリント1枚だけ」など、具体的で小さな単位にする
・終わったらチェックをつけたり、シールを貼ったりして「できた」を見える形にする

●2. 視覚的な手がかりを使う
・やることリストを紙やホワイトボードに書き出す
・時間の見通しが分かるように、タイマーや砂時計を使う

●3. 環境を整える
・宿題をする場所から、気が散りやすい物(おもちゃ・ゲーム・スマホなど)を一時的に遠ざける
・座る位置を工夫し、先生や親の近くなど、声かけしやすい場所にする

●4. 行動の「前向きな面」に目を向ける
・行動力や思いつきの良さが、アイデアやチャレンジ精神として生きる場面も多い
・「また忘れたね」ではなく、「今日はここまでできたね」と、できた部分を具体的にほめる

【5】おわりに

ADHDの子どもたちは、「やる気がない」のではなく、「がんばっているのにうまくいかない」ことが多く、その分、傷つきやすさも抱えています。周りの大人が特性を理解し、「どうすればこの子が力を出しやすくなるか」を一緒に考えていくことで、子どもは少しずつ自分らしいペースで成長していくことができます。

この記事が、ADHDの子どもたちと関わる保護者や支援者の方々にとって、日々の関わりを見直す小さなヒントになればうれしいです。

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2026年4月29日

自閉スペクトラム症(ASD)の特性と支援のポイント

自閉スペクトラム症(ASD)は、「わがまま」「空気が読めない」から起こるのではなく、生まれつきの脳の特性によるものです。この特性を正しく知ることで、子ども本人も、周りの大人も、ずっと楽に過ごせるようになります。

ここでは、専門用語をできるだけ使わずに、ASDの主な特性と、家庭や学校・園でできる支援のポイントをやさしくまとめました。

【1】ASDの主な特性

ASDの特性は人によってさまざまですが、よく見られるのは次のようなポイントです。

・人とのやりとりが分かりにくい・疲れやすい
・音や光、におい、触られる感覚などにとても敏感/逆に鈍い
・予定の変化や「急な変更」がとても苦手
・興味のあることに強く集中しやすい
・言葉どおりに受け取りやすく、あいまいな表現が分かりにくい

これらは「性格」や「しつけ」の問題ではなく、生まれつきの特性です。そのため、「みんなと同じようにできない」ことを責めるのではなく、「どうすればこの子が安心して力を出しやすいか」を一緒に考えていくことが大切です。

【2】学校や園でよくあるつまずき

集団生活の場では、ASD特性 が目立ちやすくなります。

●みんなと同じ行動をする時間
・朝の会や体育など、周りの動きや音が多い場面では、どこを見て何をすればいいか分からなくなりやすい
・「次に何をするのか」の見通しが持てず、不安や混乱につながる

●予定の変更や急な指示
・「今日は雨だから外遊びは中止」「やっぱり順番を変えます」などの急な変更は、大きなストレスになりやすい
・頭の中で組み立てていた予定が崩れ、「どう切り替えればいいか」が分からなくなる

●友だちとのやりとり
・冗談やからかいを本気で受け取ってしまう
・相手の表情や声色から気持ちを読み取りにくい
・自分の好きな話を一方的に続けてしまい、誤解されることがある

【3】家庭でよく見られる困りごと

家庭の中でも、ASDの特性はさまざまな形であらわれます。

●生活の切り替えが難しい
・「ゲームをやめてごはん」「お風呂に入ろう」「寝る時間だよ」と声をかけても、なかなか動けない
→ 今やっていることから頭を切り替えるのが難しかったり、次の行動のイメージがつかみにくかったりします。

●こだわりが強く見える行動
・服のタグや素材が気になり、特定の服しか着たがらない
・食べ物の形や色、食感にこだわりがあり、食べられるものが少ない
・並べる・集める・同じ動画を何度も見るなどの行動が続く
→ 感覚の感じ方のちがいや、「安心するパターン」を自分で作っていることが背景にある場合が多いです。

【4】今日からできる支援のポイント

ここからは、家庭や支援の場で試しやすい工夫をいくつか紹介します。

●1. 「見て分かる」形で伝える
・予定をホワイトボードや紙に書いて、絵や言葉で示す
・「今」「次」「その次」と順番が分かるように並べる
・口頭だけでなく、指さしやカードも使って伝える
→ 見通しが立つことで、不安が減り、行動に移りやすくなります。

●2. 変化があるときは早めに知らせる
・「今日はいつもとちがって○○があるよ」と事前に伝える
・変更が決まったら、「前と今のちがい」をシンプルに説明する
・「終わったら○○しようね」と、楽しみや安心できることもセットで伝える
→ 「心の準備」ができると、パニックや強い拒否が少し和らぐことがあります。

●3. 困りごとの「手前」に目を向ける
・かんしゃくや問題行動の前に、どんなサインが出ているか観察する
(例:そわそわする、耳をふさぐ、同じ言葉をくり返す など)
・サインが出たタイミングで、静かな場所に移動したり、休憩を提案する
→ 「爆発してから」対応するより、「その前」に環境を調整する方が、子どもも大人も楽になります。

●4. 得意なこと・好きなことを力に変える
・興味のあるテーマを、学びやコミュニケーションのきっかけに使う
・こだわりを、役割や係活動につなげてみる
・できたこと・がんばったことを、具体的な言葉でほめる
→ 「苦手を直す」だけでなく、「得意を伸ばす」視点を持つことで、自己肯定感が育ちやすくなります。

【5】おわりに

ASDは、「困った子」ではなく「困っている子」として見る視点が大切です。同じ診断名でも、一人ひとりの得意・苦手はちがいます。

周りの大人が特性を理解し、「この子が安心して過ごせるには、何を変えればいいかな?」と一緒に考えていくことで、子どもは少しずつ自分らしく力を発揮できるようになります。

この記事が、ASDの子どもたちと関わる保護者や支援者の方々にとって、日々の支援を見直す小さなヒントになればうれしいです。

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2026年4月29日

学習障害(LD)の特性と支援のポイント

学習障害(Learning Disabilities:LD)は、「努力が足りない」「やる気がない」から起こるものではなく、読む・書く・計算するなど、特定の学習の部分にだけ困難さがあらわれる特性です。

ここでは、専門用語をできるだけ使わずに、LDの主な特性と、家庭や学校・園でできる支援のポイントをやさしくまとめました。

【1】学習障害(LD)ってなに?

LDは、知的な力や日常生活の力には大きな問題がないのに、「読む」「書く」「計算する」など、特定の学習の部分だけがとても難しく感じられる状態を指します。

・文字を読むのに時間がかかる、読み飛ばしが多い
・文字を書くときに、形が崩れたり、マスからはみ出したりしやすい
・簡単な計算でも、桁をそろえることや手順を追うことが難しい

などの様子が見られることがあります。

【2】LDの主なタイプ

LDには、いくつかのタイプがあります(ここではイメージしやすいように、ざっくりと紹介します)。

●読むことが苦手なタイプ
・文字を一つひとつ追うのに時間がかかる
・行を飛ばして読んでしまう
・読んでいるうちに、どこまで読んだか分からなくなる

●書くことが苦手なタイプ
・文字の形が安定せず、読みにくくなりやすい
・マスの中におさめて書くことが難しい
・書くことに時間がかかり、ノートをとるのが追いつかない

●計算が苦手なタイプ
・繰り上がり・繰り下がりの手順が分かりにくい
・桁をそろえて計算するのが難しい
・文章題になると、何を聞かれているのか分かりにくい

【3】学校や園でよくあるつまずき

LDの子どもたちは、授業中に次のような場面で困りやすくなります。

●板書やプリントが負担になる
・黒板の文字を写すのに時間がかかり、授業の内容についていけなくなる
・プリントの文字が多いと、それだけで疲れてしまう

●テストで力を発揮しにくい
・問題文を読むのに時間がかかり、最後まで解ききれない
・本当は分かっているのに、書くことが難しくて点数に結びつかない

●「努力不足」と誤解されやすい
・周りの子と比べて、宿題やテストの結果が伸びにくい
・「もっとがんばればできるはず」と言われ、本人もつらくなる

【4】家庭でよく見られる困りごと

家庭でも、次のような様子が見られることがあります。

・音読の宿題をとても嫌がる、または極端に時間がかかる
・漢字ドリルや計算ドリルに強い苦手意識がある
・「勉強の話」になると、すぐに不機嫌になったり、自己否定的な言葉が出る

これは、「分からない」「うまくできない」経験が積み重なって、自信をなくしていることが背景にある場合が多いです。

【5】今日からできる支援のポイント

ここからは、家庭や学校・園で試しやすい工夫をいくつか紹介します。

●1. 量より「質」を大切にする
・同じ問題をたくさんやらせるより、「少ない量をていねいに」取り組めるようにする
・時間を区切って、「ここまでできたらOK」と区切りをつくる

●2. 読み書きの負担を減らす工夫
・音読が難しい場合は、大人が一緒に交代で読んだり、音声教材を活用する
・テストやプリントでは、文字を書く量を減らしたり、選択式にするなどの配慮を検討する

●3. 計算のサポート
・数直線やブロック、図など、目で見て分かる手がかりを使う
・桁をそろえやすいように、マス目の大きさやレイアウトを工夫する

●4. 「できたところ」を具体的にほめる
・「ちゃんとやりなさい」ではなく、「ここまで自分で読めたね」「この問題は自分で解けたね」と、できた部分を言葉にして伝える
・結果だけでなく、「あきらめずに取り組んだこと」も評価する

【6】おわりに

学習障害(LD)は、「頭が悪い」ということでは決してありません。情報の受け取り方や処理の仕方に特性があるため、今の学習のやり方がその子に合っていないだけ、ということも多くあります。

周りの大人が特性を理解し、「この子に合った学び方は何だろう?」と一緒に探していくことで、子どもは少しずつ自分の力を発揮しやすくなります。

この記事が、LDの子どもたちと関わる保護者や支援者、先生方にとって、日々の支援を見直す小さなヒントになればうれしいです。

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感覚過敏と感覚鈍麻の特徴と、安心して過ごすための支援のポイント

2026年4月29日

感覚過敏や感覚鈍麻は、「わがまま」「気にしすぎ」「鈍いだけ」といった性格の問題ではなく、音・光・触られる感覚・におい・味などの感じ方が、生まれつき少しちがう特性です。

ここでは、専門用語をできるだけ使わずに、感覚過敏と感覚鈍麻の特徴と、家庭や学校・園でできる支援のポイントをやさしくまとめました。

【1】感覚過敏と感覚鈍麻ってなに?

●感覚過敏
・音、光、におい、触られる感覚、味などを「強く」「不快に」感じやすい状態
・周りの人には気にならない刺激でも、本人にはとてもつらく感じられることがある

●感覚鈍麻
・痛みや温度、音、においなどを感じにくかったり、気づきにくかったりする状態
・危険な状況でも、本人が「平気」と感じてしまうことがある

どちらも、「感じ方のちがい」であり、「良い・悪い」ではありません。ただ、そのままだと生活のしづらさや危険につながることがあるため、周りの大人の理解と支援が大切です。

【2】よく見られる特徴の例

●音に関する感覚過敏・鈍麻
・過敏:チャイムや掃除機、子どもの声などがとても大きく感じられ、耳をふさぎたくなる
・鈍麻:大きな音がしてもあまり気にせず、危険な音(車のクラクションなど)にも気づきにくい

●光や視覚に関する感覚過敏・鈍麻
・過敏:蛍光灯の光がまぶしすぎて頭が痛くなる、教室のにぎやかな掲示物で疲れてしまう
・鈍麻:暗い場所でもあまり怖がらず、足元の危険に気づきにくい

●触覚(触られる感覚)に関する感覚過敏・鈍麻
・過敏:服のタグや縫い目がチクチクしてつらい、手をつなぐ・抱っこが苦手
・鈍麻:強くぶつかってもあまり痛がらない、汚れや汗の不快感に気づきにくい

●味覚・嗅覚に関する感覚過敏・鈍麻
・過敏:食べ物のにおいや味に敏感で、食べられるものがとても限られる
・鈍麻:味のちがいに気づきにくく、濃い味を好みやすい

【3】学校や園での困りごとの例

・チャイムや音楽、ざわざわした教室の音で疲れやすい
・体育館やプール、更衣室など、音やにおいが強い場所が苦手
・給食のにおいや食感がつらくて、食べられないメニューが多い
・列に並ぶときに、前の子との距離が近すぎたり遠すぎたりしてしまう

これらは、「わざとやっている」「協調性がない」のではなく、感覚の感じ方のちがいからくる行動であることが多いです。

【4】家庭での困りごとの例

・服のタグや素材が気になって、特定の服しか着たがらない
・シャンプーや爪切り、歯みがきなどのケアをとても嫌がる
・お風呂の温度やシャワーの刺激がつらい/逆に熱いお湯でも平気そうにしている・痛みをあまり訴えず、けがや体調不良に気づくのが遅れることがある

【5】今日からできる支援のポイント

●1. 「がまんさせる」より「環境を調整する」
・音がつらい場合:イヤーマフや耳栓、フード付きの服などで刺激を減らす
・光がつらい場合:席の位置を変える、カーテンやスタンドライトを工夫する
・服がつらい場合:タグを取る、肌ざわりの良い素材を選ぶ

●2. 本人の「困っている感覚」を言葉にして代弁する
・「うるさいね」「まぶしいね」「チクチクするね」など、大人が言葉にしてあげる
→ 「自分だけおかしいのではない」と感じられ、安心につながります。

●3. 感覚鈍麻がある場合は、安全面に配慮する
・痛みや熱さに気づきにくい子には、大人がこまめに様子を確認する・遊びや運動のときに、危険が少ない環境や道具を選ぶ

●4. 無理に「普通」に合わせようとしない
・みんなと同じやり方に合わせることだけを目標にせず、「この子が安心して参加できる形」を一緒に探す
・必要に応じて、別室での調整や、休憩スペースの活用も検討する

【6】おわりに

感覚過敏や感覚鈍麻は、外からは分かりにくいことも多く、「甘え」「わがまま」と誤解されがちです。しかし、本人にとっては、毎日の生活の中で大きな負担やストレスになっていることがあります。

周りの大人が「この子の感じ方はどうなっているんだろう?」と想像しながら、環境や関わり方を工夫していくことで、子どもは少しずつ安心して自分らしく過ごせるようになります。

この記事が、感覚の特性をもつ子どもたちと関わる保護者や支援者、先生方にとって、日々の支援を見直す小さなヒントになればうれしいです。

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2026年5月5日

発達障害と薬の関係

1.発達障害に薬を使うことについて

発達障害に対して薬が使われることがあります。

これは「治す」ためにつかわれるのではありません。

発達障害(ASD・ADHDなど)は脳の特性であり、薬で性格やその特性を消すものではないからです。


では、どんな時に薬を使うのでしょうか?

・落ち着きにくい

・衝動的に動いてしまう

・集中力が続かない

・不安やパニックが強い


など、生活に影響が大きい部分を調整するという目的で使います。


2,薬を使うかどうかの考え方

・本人がつらい状況か?

・日常生活にどのくらい影響しているか?

・環境調整や関りだけでは難しいか?

これらの点を見て医師と保護者が薬を使うかどうかを慎重に決めます。


「薬に依存してしまったら、一生飲み続けなければならないのでは」「小さな頃から薬を飲ませるのはかわいそう」「薬を使わなくても療育に通えばなんとかなるのではないか」「そのうち良くなるのでは」など、保護者は子どものことを思い悩みます。


あるASDとADHDの両方の診断が出ている子どもがいました。

その子のよくあるトラブルの例をあげると


①お友達の遊んでいるおもちゃが使いたくて、何も言わずに衝動的に奪い、お友達が「返して}と言って取り返そうとしても、絶対に離さない。


②お友達に「やめて」と言われても、遊びたくてしつこくちょっかいを出し嫌がられてしまう。


この子はお友達を「わざと困らせている」のではありません。

衝動性(ADHD特性)と、相手の気持ちの読み取りの弱さ(ASD特性)が重なって起きているのです。


「取り返しにお友達や先生が追いかけてくる」

➡自分がそのおもちゃで遊びたいという気持ちが強く、取られてしまう不安

➡取り返すためにお友達や先生が追いかけてくるのが面白い

という状況


「お友達がやめて」といって逃げる

➡相手の気持ちがピンとこない

➡逃げるから追いかけて、追いかけっこが面白い

という状況


このようなことがこの子の中でおこっているのです。


さらに、そのトラブルの仲介を大人がしようと近づきストップをかけるが、声かけがまったく耳に入らず、目も合わす、落ち着いて話ができない状態で止めるのが難しい状況。

声かけを「聞いていない」のではなく、その瞬間は「止まれない状態」に入ってしまっているのです。


こんなことが増え、お友達に一緒に遊ぶのを嫌がられるようになっていました。

トラブルになりやすいお友達と距離をとる、落ち着いている時に振り返りを一緒にするなど、環境調整や関りの工夫だけでは難しいと感じるケース。

その子は自分でそういう状況になったときに止められないという自覚もありました。しかし、落ち着いている時には話ができても、やっぱりその場面になると止められない。

「しんどいだろうなあ」と思いました。

でも支援者は薬を使うことをすすめめることは基本できません(するべきではない)。

なぜなら

・薬の判断は医師の専門領域

・効果や副作用の評価も必要

・家庭の考え方も大きく関わる

からです。


現場の立場で「薬を使った方がいい」と言い切るのは越権になりやすいのです。


それでは支援者は何もできないのでしょうか?そうではありません。

保護者にその日のトラブルの事実を伝え、受診を検討してもらうことは可能です。

「衝動的な行動が続いていて、お友達とのトラブルも増えて本人もしんどそうに見えます」

「環境調整や、関りも工夫しているのですが、難しい状況が続いています」

「一度、専門の先生に相談してみるのも1つの方法かもしれません」

など、薬ではなく、医師への相談を提案することはできます。


この子はその後、衝動性を抑える薬を飲み始めたことで、これほどの衝動的な行動は減り、お友達とも関係も改善しました。

しかし、飲み忘れてしまった日は同じようなトラブルが起こることがあります。

さらに、その薬には食欲減退の副作用もあるため、食べる量が減ることがあります。

つまり

薬はこどもの「しんどい」状況を改善するための1つの方法.

薬を使う=かわいそう

でもなく、

薬を使う=全部解決する

ではないのです。


薬の種類や効果・副作用などは、また別の記事で書きたいと思います。

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2026年6月4日

知能検査ってなに?子どもの特性を理解するためのポイント

「知能検査」と聞くと、「子どもの能力を点数で決めてしまうもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。でも、本来の知能検査は、子どもの「得意」「苦手」のバランスを知り、よりよい支援や学び方を考えるための大切な手がかりになります。

ここでは、知能検査の目的や結果の見方、支援にどうつなげていくかのポイントを、専門用語をできるだけ避けてわかりやすくお伝えします。

1.知能検査ってどんなもの?
知能検査は、お子さんが情報の受け取り方や考え方にどのような特徴(得意・不得意)を持っているかを詳しく知るためのツールです。単なる「頭の良さ」を測るものではなく、日常生活や学習で「何が助けになるか」を見つけるための地図のようなものだと考えてください。

2.知能検査でわかること・わからないこと
検査では「耳で聞いた情報の理解」や「目で見た情報の処理」など、脳の働きのバランスがわかります。一方で、本人の「優しさ」「やる気」「将来の可能性」といったすべてが数値に出るわけではありません。検査はあくまでお子さんの一つの側面を映し出すものとして捉えることが大切です。

3.結果の「数値」だけを見ないために
「IQ(知能指数)」という一つの数字だけに注目すると、お子さんの本当のしんどさを見落としてしまうことがあります。大切なのは数値の高さではなく、項目ごとの「差」がどれくらいあり、それが生活の中でどのような「困りごと」につながっているのかを読み解くことです。

4.支援やかかわりにどう生かす?
「耳で聞くのが苦手」という結果が出たら、言葉だけでなく絵や図を使って伝える工夫ができます。反対に「視覚情報が強い」なら、写真やメモを活用することで、お子さんの「わかった!」という安心感を増やすことができます。検査結果は、お子さんの個性に合わせた具体的な「応援プラン」を立てるために活用しましょう。

5.子どもへの伝え方と、気をつけたい言葉
お子さんには「より楽しく過ごすためのヒントを見つけるテストだよ」と前向きに伝えてください。「がんばれば数字が上がるよ」といった言葉はプレッシャーになるため避け、「今のあなたのままでいいんだよ」という安心感をベースに、得意なことを活かす方法を一緒に探していきましょう。

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知的障害と学習障害の違い

2026年6月13日

「わが子の特性が、知的障害なのか学習障害(LD)なのか、どう違うのかわからなくてモヤモヤする...」そんな不安を抱える保護者や支援者の方は少なくありません。

一見似ているように感じられることもありますが、実は得意・不得意のあらわれ方や、効果的な支援のポイントが大きく異なります。

両者の違いを正しく知ることで、お子さんの「しんどさ」の理由が整理され、明日から試せる最適なサポートの形がきっと見えてくるはずです。

寄り添う心を大切に、その違いをやさしく紐解いていきましょう。



【1】知的障害とは?

知的障害は、知的発達の全体的な遅れが認められる状態を指します。

学習面だけでなく、日常生活の自立や周囲とのコミュニケーションにおいても、その子のペースに合わせた細やかなサポートが必要になります。

「何度言ってもできない」のは決して怠けているからではなく、情報の処理や理解のスピードに特性があるためです。

本人の「がんばり」を認め、一つひとつスモールステップで進んでいくことが支えになります。



【2】学習障害(LD)とは?

一方で学習障害(LD)は、知的な発達におおむね遅れは見られないものの、「読む」「書く」「計算する」といった特定の学習技能にだけ著しい困難が生じる特性です。

これも「努力不足」が原因ではなく、脳が情報を処理する際の得意・不得意によるものです。

読み書きなどの特定場面だけでつまずくため、周りから「やればできるのに」と誤解されやすく、本人も自信を失って自己肯定感が下がりやすいという特徴があります。



【3】検査では何を見ているの?

お子さんの特性を深く知るために行われる検査には、それぞれ役割があります。

・知能検査:全体的な力のバランスや、どんな考え方が得意かを見ます。

・学習の検査:読み・書き・計算などのスキルに、どの程度の得意・苦手があるかを見ます。



これらの結果は、お子さんに「診断名というラベル」を貼ることが目的ではありません。

あくまで「今のこの子にはどんな環境や伝え方が合いそうか」を大人たちが一緒に考えるための大切な材料です。

数値に一喜一憂せず、お子さんの世界を理解するための地図として受け止めててくださいね。



【4】学校での配慮のポイント

お子さんのタイプによって、有効なアプローチは異なります。

・知的障害のある子への配慮:学習内容の量を調整したり、視覚的なスケジュール表を使ったりして、生活の見通しを立てやすくする工夫が大切です。

・学習障害のある子への配慮:苦手な部分を「別の方法」で補う工夫が有効です。

例えば、読み上げ機能を使ったり、書く量を減らしてタブレットを活用したり、計算では電卓などの道具を使うといった方法です。



【5】さいごに

どちらの場合も大切なのは、「できないところ」の克服だけに目を向けるのではなく、「できているところ」や「好きなこと」を一緒に見つけていくことです。

それがお子さんの自己肯定感を守り、生きる力につながります。

診断名で可能性を決めつけるのではなく、「この子に合うオーダーメイドの支援」を一緒に探していきましょう。

 

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発達障害の薬の種類         効果・副作用

2026年6月13日

発達障害(ADHD・ASDなど)の薬は、特性そのものをなくす魔法の杖ではなく、本人の生活のしづらさを和らげ、本来の力を発揮しやすくするための「補助具」のような役割を果たします。

ここでは、一般的に処方されることの多い薬の種類や、期待される効果、注意しておきたい副作用についてわかりやすく整理しました。

【1】主な薬の種類と効果

●ADHD(注意欠如・多動症)に使われる薬
主な目的:不注意、多動性、衝動性のコントロール
・コンサータ:脳内の神経伝達物質(ドーパミンなど)を調整し、集中力を高めたり落ち着かせたりします。
・ストラテラ:ゆっくりと効果があらわれるタイプで、一日を通して不注意や衝動性を和らげます。
・インチュニブ:多動や衝動性を抑える効果が高く、感情の起伏を安定させることもあります。

●ASD(自閉スペクトラム症)に伴う症状に使われる薬
主な目的:パニック、イライラ、不眠などの周辺症状の緩和
・エビリファイ・リスパダール:強い不安やこだわり、パニック、感情の爆発などを落ち着かせるために使われます。

【2】よくある副作用と対応のポイント

薬によって異なりますが、よく見られる副作用には次のようなものがあります。
・食欲不振:特に飲み始めにあらわれやすく、夕食を充実させるなどの工夫が必要です。
・不眠・眠気:薬の種類や飲むタイミングによって、眠りにくくなったり、日中眠くなったりすることがあります。
・頭痛・腹痛:体質に合わない場合に起こることがあります。

【3】服薬を検討する際の心得

・薬はあくまで「環境調整」の一つです:まずは生活環境の改善や関わり方の工夫を行い、それでも本人がしんどい時に検討します。
・医師との連携が不可欠:効果や副作用のあらわれ方は一人ひとり異なります。家庭や学校での様子を具体的に医師に伝え、調整していくことが大切です。
・本人の気持ちを大切に:ある程度の年齢になったら、なぜ薬を飲むのかを本人にも分かりやすく説明し、納得感を持って続けられるようにしましょう。

【4】さいごに

薬を使うことは「かわいそう」なことではなく、お子さんが「楽に、自信を持って」過ごすための選択肢の一つです。特性に寄り添った最適なサポートを、医療と連携しながらゆっくり探していきましょう。

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